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特定調停とは?手続きの利用方法とメリットデメリットなどをわかりやすく解説!

2019年6月25日
特定調停とは?手続きの利用方法とメリットデメリットなどをわかりやすく解説!

借金返済が苦しくなったら債務整理をしますが、債務整理手続きの中に「特定調停」という方法があります。

特定調停は、裁判所で手続きをする方法ですが、債務者が弁護士に依頼せずに自分で手続きをすることの多い少し変わった手続きです。

特定調停とはどのような手続きで、どのようにして利用することができ、どんな人に向いているのでしょうか?

そこで今回は、特定調停の手続きの流れやメリットデメリットなどについて、わかりやすく解説します。

特定調停とは

特定調停とは、借金を整理するための債務整理手続きの1種で、簡易裁判所の調停を利用して借金を整理する方法です。

特定調停をすると、簡易裁判所で調停委員会が債権者との間に入ってくれて話し合いを仲介してくれます。

このようにして、債権者と話し合い、借金の返済額と返済方法を決めていきます。

任意整理の話し合いを、簡易裁判所の調停手続きを利用して行うようなイメージでとらえるとわかりやすいです。

特定調停をすると、月々の借金返済額が減額されることが多く、手続き後には3年程度で返済していくことになります。

調停調書に記載されたとおりに返済を終えると、借金が完済できて借金問題を解決できます。

特定調停を利用する方法と手続きの流れ

特定調停を利用する方法と手続きの流れを確認しましょう。

ステップ1感裁判所で申立

特定調停をしたい場合、まずは簡易裁判所で特定調停の申立をします。

このときの管轄の裁判所は、債権者の営業所がある住所地の簡易裁判所です。

複数の債権者を相手にする場合には、自分が一番通いやすい場所にある簡易裁判所を選ぶと良いでしょう。

ステップ2書類の作成、提出

特定調停申立書や関係権利者一覧表などの書類を作成して、費用と共に提出したら申立ができます。

ステップ3調査期日

申立が済んだら、調査期日が開かれます。

この日には債権者は出席せず、債務者と調停委員が面談をして、債務者の現状をもとに今後の支払計画などを立てていきます。

ステップ4調停期日

その後、第一回調停期日が開かれます。この日は債権者も出席して、調停委員を介して借金の返済計画について話し合います。

ステップ5合意

合意ができたら調停が成立して、後日調停調書が作成されて送られてきます。

合意ができなければ次回期日の予定を入れます。

特定調停では、3回程度で合意ができなければ不成立になってしまうことが多いです。

特定調停が不成立になった場合、借金問題は解決されないままになってしまうので、別の債務整理手続きを利用して解決する必要があります。

特定調停のメリット

自分1人でも手続できる

特定調停をする場合のメリットの1つ目は、債務者が自分で取り組みやすいことです。

特定調停では、債権者との話し合いに裁判所の調停委員が介入してくれるので,債務者が債権者と直接話し合いをする必要がありません。

そこで、任意整理などと異なり、立場の弱い債務者でも1人で取り組みやすいです。

また、特定調停の手続きは、裁判所を利用しますが、比較的簡単な手続きなので素人の債務者が自分で手続きしやすいです。

費用が安い

次に、特定調停は費用が安い点も大きなメリットです。

特定調停にかかる費用は、債権者1件について500円の収入印紙と数百円~数千円の予納郵便切手のみです。

裁判所の往復の交通費を入れても、全部で1万円もあれば手続きができることも多いです。

特定調停のデメリット

特定調停にはデメリットもたくさんあります。

債権者の同意が必要

まずは、調停が成立するためには債権者の同意が必要なことです。

特定調停では、調停委員や裁判官が話し合いの間に入ってくれますが、相手に結論を強制することはできません。

そこで、債権者が調停の話し合いに応じなかったり、話し合いをしても合意ができなかったりすると、借金問題は解決されずにそのままになってしまいます。

過払い金請求ができない

また、特定調停では、過払い金請求ができません。

特定調停の手続き中に過払い金が発見されるケースもありますが、その場合、手続き内では請求ができないので、別途特定調停外で過払い金請求をするか、過払い金請求訴訟をする必要があります。

そうすると、結局弁護士費用がかかって特定調停の「費用が安い」というメリットがなくなってしまいます。

手続きが面倒

さらに、特定調停は手続きが面倒です。

確かに自分で手続きすると費用の節約にはなりますが、面倒な書類作成が必要ですし、何度も簡易裁判所に足を運んで自分で手続きを進めなければなりません。

調停調書に強制執行力がある

特定調停では調停調書が作成されますが、この調書には強制執行力(差し押さえをする効力)があるので、調停後に借金返済を滞納したら、いきなり財産を差し押さえられてしまうおそれがあることも大きなデメリットとなります。

ブラックリスト状態になる

また、他の債務整理方法と同様、特定調停でも、ローンやクレジットカードを利用できないブラックリスト状態になります。

特定調停に向いている人

以上のように、特定調停はかなりデメリットも大きな手続きです。

それでも特定調停に向いている人は、費用を節約したい人です。

特定調停を自分ですると、費用は1万円以下でおさまることもあるので、他の債務整理手続きと比べて非常に安いです。

また、手続きにかける労力や時間がある人も特定調停に向いています。

忙しい人や面倒くさがりな人は、特定調停には向きません。

今、借金問題に悩んでいて債務整理しようかと考えている方は、今回の記事を、特定調停を選ぶかどうかの参考にしていただけましたら幸いです。

この記事を書いた人

ライター元弁護士陽子福谷
2002年京都大学法学部卒業。
2003年司法修習(第57期)。
2004年弁護士登録。
その後勤務弁護士として働く。
2007年 独立開業して「陽花法律事務所(はるかほうりつじむしょ)」を設立しました。
2013年に体調を崩し、事務所をいったん閉じました。
現在は、法律の知識を生かして在宅でも出来る法律系の記事の執筆業などをしています。
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